「LOST」ファンツアーの後、家に帰ってシャワーを浴びて、速攻で食事を済ませて、6時間の長丁場に備えて準備、さらに気分を盛り上げるために家の中にあるLOSTグッズなどをテレビの前に並べて6時を迎えた。
ほとんどテレビドラマなど見なかった私が、友人に借りた「24」でアメリカのドラマのテンポの良さとお金のかけ方に感動し、続いて借りて見たのが「LOST」だった。
普段見慣れた美しいハワイの景色が出てきて、オアフ島でも私の特に好きなモクレイアが最初のロケ地となっている事がすぐにわかり、またドラマの展開にも引き込まれていった。
「24」は専門用語などの英語が難しくて、次を見るのは日本語字幕版が出てからだったが、「LOST」は大体聞き取ることが出来たので、シーズン3からはアメリカの放送が楽しみになるようになってきた。
英語と言っても、実は色々な訛りやアクセントがあり、LOSTではキャストもアメリカ、イギリス、オーストラリアと言った英語圏でもそれぞれアクセントが異なり、さらにアメリカでも東部と西部や南部の訛りなど様々で、さらに日本人や韓国人が英語を使っていたりもするので、実は英語が外国語である人にとってはなかなか難しい。
が、ある意味、大変良い勉強にもなる。
さて、そんな頃日本のLOSTファンの方から、ロケ地巡りの様なツアーは出来ないか?と言ったリクエストを幾つか頂き、少し調べ始めた。
最初は、ビーチやジャングルのシーンはハワイでも、ハリウッドのスタジオや、サバイバーの出身地である世界中の国々のシーンなどはそれらの国でロケを行っていると思っていたのだが、なんとほとんどの撮影がこのオアフ島で行われていると言う事実を知り、随分驚いた。
シドニー・エアポートの正体がハワイ・コンベンションセンターだと言う事くらいはすぐにわかったが、韓国やアフリカのシーンまでオアフ島で撮影していて、ビーチやジャングルのシーンも島中を使って行われている事もわかってきた。
これはオアフ島を紹介するには良いツアーになると言う判断は出来た。
しかしツアーとして成立させるためには幾つかの要件があるが、十分丸一日使っても全てを回りきれず、絞り込む必要があり、mixiにトピックを立ててアンケートを取ってみたのだ。
『mixiのLOSTコミュ、「LOST」ファンツアーへの道』「ファンとしてはどこに行ってみたいのか?」と言うことを聞きたかったのだが、書き込み以上に直接メッセージを沢山いただき、「ツアーが出来たら是非参加してみたい!」と言うのがほとんどだった。
日本ではケーブルTVのAXNがLOSTのオフィシャル・チャンネルで、地上波ほど見ている人はいないと思ったし、DVDのレンタルも「24」よりは少ないと思っていたのだが、LOSTにすっかりハマっている人が多いのにはビックリした。
そこでランチやお手洗いなどのツアー要件に合うように企画を進め、2007年の4月に「LOST」ファンツアーを始めた。
ちなみにこの頃mixiのLOSTコミュで最大のが五千人ほどだった。
今までは一人のLOSTファン(ロスティー)としてだけ見ていたドラマが、今度は仕事で見るようになった。
最初は字幕無しで見て、次に英語の字幕を出してみて、資料などの為に日本からDVDのBOXセットを取り寄せ、日本語の字幕でも見て、新しいシーズンが始まる前にまた最初から見直して、何度も見るうちに隠された仕掛けも段々わかってきた。
登場人物同士が過去に繋がりがあったりするのだが、ストーリー的にはほとんど関係が無いような所でも同じ人物がいたり、チラッと映った壁の写真に何か意味があったり、映画でもここまでしないと言うくらい仕掛けが施されていて、一度や二度見たくらいで全てわかるはずが無いと言うのもわかった。
ブルーパース(放送に映ってしまったミスなど)のネタも増えていった。
アメリカ人のオタク度は高く、ファンが作ったウェブサイトやYouTUBEなどにも分析や自己解釈、発見に関する情報が見つけられ、それらを見ているうちに私もいつの間にかLOSTオタクになってしまった。
ツアーのお客さんの中にも時々オタク度の高い方がいらっしゃるが、日本で「LOST」の吹き替え版の翻訳をしている方がいらした時以外は、まだとことん語り合えるようなロスティーには会っていない。
しかしmixiにはアメリカは勿論、イギリスやカナダなどでも見ている日本人がいて、「ネタバレあり」と言うトピックで最新の放送後には盛り上がってきた。
「飛行機事故のサバイバーが島で冒険する話」と言うと、トム・ハンクスの「キャスト・アウェイ」のような話を想像していたのだが、シーズンが進むにつれ、島の特殊性や、原住民と開発・研究をしようとした人達との争いに巻き込まれていき、予想が付かなくなってきた。
さらにメインキャストの過去や未来までもがフラッシュされる手法にも一々驚かされた。
ツアーの方は当初の私の予想を大きく裏切り、ダイアモンドヘッドクラブで一番の売れっ子になってしまった。
ラジオや雑誌に何度も紹介され、定員オーバーでお客さんをお断りしなければならない事態も何度かあった。
シーズンが進む度にヴァージョンアップも行ってきて、2度、3度と参加されるお客様も出てきた。
昨年からは実際LOSTにエキストラでの出演経験もある弟子も作って、二人体制になった。
ツアー中には撮影を目撃したことも何度かあり、プライベートのキャストを発見して声をかけたこともあった。
キャストがオアフ島のイベントに出て、それがテレビのニュースになっていたり、友人も目撃して写真を撮ってもらったり、LOSTはとても身近な存在になっていった。
近所の石鎚神社の鳥居がサイードと一緒にチラッと映った時は感激した〜!(^o^)
撮影クルーが着ているTシャツが羨ましいと思っていたら、それを製作している人とコネクションが出来たりして、さらには「LOSTマガジン」を購読したり、フィギュアやサントラCDを買ったりと、私の生活自体もLOST色になっていった。
サントラCDはツアー中のBGMのつもりで買い始めたのだが、ハワイの景色が無ければLOSTが美しく成り立たないように、このマイケル・ジアッチーノの音楽無しではLOSTの世界は出来上がらなかっただろう。
その後はタイム・トラベルや神話の世界のように話が展開していって、最終のシーズン6を迎えた。
このシーズンではフラッシュ・サイドウェイズという新しい手法が出てくるが、いままで何度も見ていた人にしかわからない仕掛けが沢山ある。
これから見る方は、シーズン6の前にはもう一度でも最初から見直すことをお勧めしたい。
随分と簡単に人が死んでしまったり、銃器もありすぎるという印象を持つ日本人は私だけではないと思うが、とにかく色々起きて最終回を迎えた訳だ。
6時から8時まではエグゼクティブ・プロデューサーのデーモン・リンデロフとカールトン・キューズがシーズン1から振り返って、解説をしながら時系列などを整理していった。
そして8時からの2時間半が本編。
いや〜随分泣いた。(T_T)
結局最後までハッキリしなかった謎なんかもあるのだが、これで泣けなかったらLOSTIES失格。
9ヶ所くらい泣けたが、4ヶ所はかなりやばかった・・・。
その後は深夜のトークショー「ジミー・キメル・ライブ」にキャストが揃って登場して、楽しい話を聞かせてくれた。
CMも凄く凝ってて、スモークモンスターが煙感知器の宣伝に出てたりと、LOST一色だった。
日付が変わった12時過ぎに全てが終わるとなんだか放心状態だった。
「LOST」の放送が終わってもツアーは続けるが、今度は何を見ようかと悩んでいた。
途中で「プリズン・ブレイク」は見てしまったのだが、「ヒーローズ」が途中までだったし、「フラッシュ・フォワード」も面白そうと思っていたら、なんと、この二つとも打ち切りが決まってしまったのだそうだ・・・。
「ヒーローズ」はもうシーズン3まで終わってたはず。
「フラッシュ・フォワード」はLOSTのペニーやチャーリーが出てるし、LOSTファンには受けそうな内容だったのに残念。
しばらくは「龍馬伝」だけ見てよう。
LOSTは日本でも先週土曜からAXNでシーズン6が始まったが、とりあえずこの6月から始めるツアーのVer.4はシーズン5までの内容で行う。
来年の6月に総集編を開始したいが、その時にはお客さんたちともっと色々な話が出来そうで楽しみである。
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